マイホームは「一生住むもの」という考えの落とし穴

マイホームは「一生住むもの」という考えはもう古い?

 生涯で最も高い買い物は、やはり「住宅」だろう。多くの人はマイホームを買う時に「ここに一生住む」という覚悟で臨むと思うが、ファイナンシャルプランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター)は、そうした考えに固執しないほうがいいのではないか、と指摘する。藤川氏がマイホーム購入時の心構えについて解説する。

 * * *
 よほどの富裕層でもない限り、30年以上に及ぶ住宅ローンを組んでマイホームを購入するケースがほとんどだと思います。買う時は「一生ここに住むつもり」だったとしても、転勤を命じられることもあります。子どもがやがて独立して手に余ってしまう状況になってしまうことだってあります。あるいは自分や配偶者に介護が必要となった場合、それに適した家とは限りませんし、介護施設に入ることになれば家を手放さなくてはならない場面も想定されます。

 そのようなライフスタイルの変化に加え、勤めている会社が危うくなるとか仕事を辞めなくてはならない事態も想定しておかなくてはなりません。自営業者なら家業が立ち行かなくなることで家の売却を迫られることがあるかもしれませんし、決して「家は一生もの」ではないのです。

 ですから、家を買うなら売ったり、貸したりすることを考えて買わないとダメ、というのが私の持論です。「子どもが大きくなる前に」とか「働き盛りのいまのうちに」といった理由で購入する年齢を気にかける人は多いですが、それよりも5年や10年で売るという「出口戦略」も考えて買うのがよいと思います。

住むならマンションよりもアパート? 同じ間取りでも家賃は段違い

意外な掘り出し物件も少なくないというアパート(写真はイメージ)

 日本の集合住宅は、大まかに「マンション」と「アパート」に分類されるが、マンションのほうが設備が整っていて、アパートのほうが簡素な作りというイメージを抱く人も老いだろう。その点でマンションのほうが「住みやすい」と感じられるかもしれないが、果たして本当にそうなのだろうか──。

「マンション」と「アパート」を定義する法的な規定はなく、一般的には以下のようなイメージで両者が区別されている。

「マンション」は、鉄筋コンクリート造で4階建て、5階建て以上でエレベーターがあることがほとんど。建物にエントランスがあり、オートロックの場合も多い。一方の「アパート」というと、2階建てから3階建て程度。木造やプレハブ工法で、建物自体にエントランスがないことが多い。

 また、マンションは、建物の作りが頑丈で、耐火性・耐震性に優れているとされている。遮音性も高く、周囲の生活音などが気にならないというメリットがある。ほかにも、管理人がいたり、防犯カメラやオートロックが備わっているケースが多かったりと、防犯面でも優位性があるといえる。